労働基準監督官とは、国民の労働環境を守るため、
定期的な調査や指導を行う仕事です。
厚生労働省に属する国家公務員である労働基準監督官の仕事は、大きく5つに分けることができます。
労働基準関係法令に基づいて定期的に調査を行ったり、危険だと判断した場合にはその場で使用停止を命じることができるのが臨検監督です。
工場・工事現場などで死亡災害などの労働災害が起こった時に現場に急行しその原因を調査したり再発させないために指導するのが災害調査です。
事業主が労働基準関係法令に悪質に違反した場合に捜査して検察庁に送検するのが司法処分です。
労働災害について防止・把握・分析・指導などを行うのが安全衛生業務です。
労災者災害補償保険法に基づいて事実関係を把握したり、調査・審査をするのが労災補償業務です。
労働基準監督官は合格後に基礎研修・実地訓練が行われます。
同時に3か月間の労働大学校の中央研修も受講することになります。
その後も昇進時などに中央研修があり、学びながら働くと言ったスタイルになります。
努力すれば都道府県労働局長や労働基準監督署長などの幹部に昇進することも可能です。通勤手当・扶養手当などの諸手当も厚く、不況の時代も人気の職業になっています。
手錠や捕縄を持ち、特別司法警察職員として犯罪を捜査したり犯人を逮捕したりする権限を持っています。
労働者から申告があれば予告なしに訪問し、賃金不払い・サービス残業・不当な解雇・労災隠しなどの労働基準法・最低賃金法・労働安全衛生法の違反者に対して正すように勧告を行います。
働く人の味方である労働基準監督官は、正義感の強い性格と冷静な状況判断ができることが求められます。
外国の不法労働者に出会うことも多く、語学力はなくてはならない能力となります。
公務員という職業も昇給について現在は実力重視が主流になっているところが多い中、労働基準監督官は能力があまり重視されずにいるのが現状です。
採用年次と年齢で給料や昇進が決まっているので真面目に働いていればいずれ昇進できるようです。