家庭裁判所調査官とは総合職の国家公務員です。
全国各地の家庭裁判所に配属され家庭裁判所の裁判官の指示により少年事件や家事事件について調査・報告を行うのが仕事です。
試験に合格した後、裁判所職員総合研修所にて2年間の研修を受けることになります。研修が終了するとそれぞれ配属が決まります。
短い年数で転勤を繰り返しながら全国の家庭裁判所本庁や主な支部において様々な業務を経験していきます。勤務は他の公務員と比べてもとても多忙になります。
審判や事件について関係者の話を聞きに出張に出かけたり、その他の審判へ出席したり、裁判官と打ち合わせを行ったり、報告書を作成したりするのが家庭裁判所調査官の主な仕事です。
少年係に配属されると、罪を犯した少年について家庭環境や学校の状況、いままでの生い立ちなどを調査して裁判官がその少年にとって一番適切な指導や判断ができるように手助けする報告書を作るのが仕事になります。
ケースによっては少年が再犯をしないようきちんと教育を行うためのカリキュラムを作ることもあります。
家事係に配属されると、離婚やそれに関わる子供の親権をめぐる争い、児童虐待、家族や親族の間で起こった争いごとの調停や養子縁組の審判が行われる時が出番となります。
当事者や関係者から話を聞いたり、事実関係を確認したり、審判や調停に必要な報告書を作るのが仕事になります。
前提としてある程度の法律の知識が必要になりますが、それだけでは仕事に必要な要素を満たしていません。
複雑な家庭環境で育った少年や普通では立ち入らない家庭問題などを扱う仕事なので、物事を机上の理論だけで考えず、当事者の立場に立って親身になり人間的な判断や気配り・心配りができる人材が求められています。
年々持ち込まれる内容が難しいものになってきているので、家庭裁判所の役割はますます大きくなってきています。
審判で調査結果を述べなければならない場面も多々あり、事務処理だけでなく人前で堂々と話すことができるスキルも重要視されています。